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第八章「戦闘空間」―2―

「ふん、行くぞ。お前達二人が扉を開けろ。開いたら突入する」
東が鼻で笑った。
それ見たことかと言わんばかりに、尊大な態度で、待機していた隊員達に指示を飛ばす。
さっきからのやり取りを見ていた新堂は、インカムを使って、木口だけに聞こえるように話しかけた。
「木口さん、いいんですか?」
「どうせ何を言ったって聞きゃしないんだ。ここで仲間割れしてたら、本当に奴らを逃がしちまう。俺も出来るだけフォローはするさ」
緊張した面持ちで木口が答えた。
入口の両側に立った隊員が、一気に扉を引き開ける。
それを合図にして、東を先頭にした十数名のゼクトルーパー部隊が、工場内になだれ込んでいった。
中は閑散としていて、見える範囲に動くものは何もない。
効率よく索敵を行うために、隊員達は各小隊毎に分かれて左右に展開した。

不意に気配を感じて新堂が振り返ると、工作機械の陰から、怯えた様子の女子高生がよろめきながら現れた。
「た、助けて下さい……。化け物に襲われて……」
「芝居は止めろ!お前の正体は分かっている」
新堂は、機先を制して、その少女に銃口を向けた。
だが、すぐに引き金を引くことは躊躇った。
もしかしたら、本当に一般市民かもしれない。
もしワームではなく人間だったら、取り返しのつかないことになる。
自分の鼓動が早くなるのが分かった。
――どうする?撃つべきか?
「新堂、撃てッ!」
それを見た木口が檄を飛ばす。
少女の姿が陽炎のように、ぐにゃりと捻じ曲がり、見る間にワームのサナギ体に変化した。
咄嗟に引き金を引き絞る。
装弾数三千発、一分間に六百発の連射が、サナギ体を捉えた。
木口を含めた他の隊員も新堂を援護し、おびただしい弾丸を浴びせられて絶命したサナギ体は、その場に倒れて爆発し、死体も残さず消滅した。
「散開しろ!!」
隊員達が警戒を強めた時、先行していた東が叫んだ。
頭で考えるより前に、日頃の訓練によって叩き込まれた成果が、意識せずとも隊員の体を動かす。
各員が素早く反応して、工場内全体に散った。
その直後、天井付近の梁の上に潜んでいた複数のサナギ体が飛び降り、隊員達に襲いかかった。
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研究員D

Author:研究員D
「ギリギリ映らない画面端にいるエキストラ研究員」のイメージというのが名前の由来。
基本的に特撮ヲタ。
また、マイナーなものに惹かれる体質。
特撮全般および一部のアニメや漫画(マイナー作品とか古いの)を愛する。

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