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「駆け引き」

蒸し暑い夏の夜のことだった。
私の記憶が確かなら、八月の半ばだったように思う。
自宅の風呂場で頭を洗っていると、背後に何者かの気配を感じた。
そんなはずはないと思いながら、どうしても気になったので、手を止めて振り向いてみる。
当然ながら、そこには誰もいなかった。
ひとまず安心して、洗髪に専念する。
しかし、しばらくすると、また同じ感覚に襲われた。
まさかと思い、ゆっくりと振り返った。
やはり何者も存在しない。
きっと疲れているせいだ――そう自分に言い聞かせると、いつものようにシャンプーの泡を洗い流す。
すると、またも背中から気配を感じるではないか。
いい加減にして欲しかったが、ふと思いついて、振り向く代わりに天井を見上げてみた。
しばしの沈黙――私の頭上に移動していた“そいつ”と目が合った。
不意を突かれたであろう“そいつ”は、気まずそうに湯気の中に消えていった。

[完]
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研究員D

Author:研究員D
「ギリギリ映らない画面端にいるエキストラ研究員」のイメージというのが名前の由来。
基本的に特撮ヲタ。
また、マイナーなものに惹かれる体質。
特撮全般および一部のアニメや漫画(マイナー作品とか古いの)を愛する。

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