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ブランコ

一昨日に世にも奇妙な物語を見てから色々と滾った結果が以下から始まります。
これの原作は漫画作品ですが、あの身の毛もよだつオリジナルの怖さを全く表現出来ない^q^
あ、今回の世にも奇妙な物語は、個人的には「ベビートークA錠」が良かったです。





ブランコが揺れています。
乗っているのは男の子でしょうか。
それとも女の子でしょうか。
もしかすると、もっと別のものかもしれません――。

A小学校の近くには、小さな公園がある。
砂場や鉄棒があり、滑り台の隣には、象の形をした遊具が佇んでいる。
特に変わった点もなく、一見すると、何処にでもありそうな、ごく普通の公園だった。
しかし、ここに設置されているブランコには、不思議な噂がある。
夜中になると、風もないのにブランコが勝手に揺れているのだという。
そして、気になった人が近付いてみると、その上に生首が乗っているというのだ。
「ねえ、典子。あの噂って本当なのかな」
「噂?」
学校からの帰り道に、梨花と連れ立って歩いていた典子は思わず聞き返した。
二人は、共にA小学校を卒業した後、同じB中学校に通っているクラスメートだ。
日頃から仲も良く、家も近所だったので、こうして一緒に下校することが多かった。
「ああ、あれ。梨花、信じてるの?」
「そういう訳じゃないけど……。誰か見たのかなって」
「ふーん……」
今まで続いていた会話は、それきり途絶えてしまった。
典子が急に黙り込んでしまったからだ。
どうやら何か考えているらしい。
梨花は嫌な予感がした。
それを知ってか知らずか、しばらくして不意に立ち止まった典子は、きわめて明るい笑顔で言った。
「じゃあさ、行ってみようよ」
「……え?」
典子の口から出たのは、思いも寄らない言葉だった。
呆気に取られている梨花を無視して、典子は畳み掛けるように喋り始める。
「ちょっと見てみたいと思わない?今夜がいいや、塾も休みだし。ね?ね?」
「もう……。言い出したら聞かないんだから……」
梨花は気が進まなかった。
ただ話題に出しただけであって、噂を確かめるつもりなど全くなかったのだ。
しかし、典子は好奇心が強い。
おまけに、口に出したら取り消さない性格だ。
もし断ったとしても、梨花が承諾するまで、しつこく口説いてくるのは明白だった。
それを経験で知っている梨花は、典子を止めることを諦めざるを得なかった。

夜の十二時前に、梨花は例の公園に到着した。
ここで落ち合う約束だった筈だが、典子の姿は見えない。
彼女が遅刻するのは日常茶飯事とはいえ、時間が時間なだけに、待っている内に不安になってきた。
最初に典子の家に行って、合流してから来れば良かったと考えても後の祭りだ。
五分が経過し、十分を過ぎても、相変わらず典子は現れなかった。
「――遅いよ。言い出しっぺの癖してさ」
ブランコの傍らにある太い木に背中を預けた梨花は、闇の中で光っている携帯電話の画面を見つめて、ため息をついた。
さっき送ったメールの返事も、一向に返ってくる気配がない。
今の時刻は、十二時二十三分だ。
もしかしたら、すっぽかされたのかもしれない。
典子のことだから、約束していながら忘れているという可能性も考えられる。
――もう待てない。帰ろう。
携帯を閉じた梨花の背後で、何かが軋むような物音がした。
それは、彼女の近くから聞こえてくるようだ。
――え?
梨花は息を飲んだ。
空耳だと自分に言い聞かせながら、おそるおそる聞き耳を立てる。
梨花の予想通り、その正体は紛れもなく、ブランコが揺れて鳴る音だった。
はっきりと分かった時、梨花の身体は、凍ったように固まってしまった。
震えが止まらない。
冷たい手で心臓を鷲掴みにされたような気分だった。
風も吹いていないのにブランコが揺れ動いている。
噂が本当なら、上には生首が乗っている筈なのだ。
恐ろしくなった梨花は、公園から逃げることさえ出来なくなってしまった。
――典子、お願いだから早く来て……!怖い……!
両耳を塞いだ梨花は、ひたすら音が止まってくれるのを待った。
だが、彼女の心中に反して、不気味な音は鳴り止まない。
それどころか、さっきよりも大きくなっているようだ。
――早く……来て……!
耐えられなくなった梨花は、噂が根も葉もない作り話であって欲しいという祈りを込めて、息を殺して木の幹から顔を出し、ゆっくりとブランコの方に視線を移す。
その瞬間に、さっきまでが嘘のように、ブランコは、ぴたりと鳴り止んだ。
「の……」
口を開けたまま、梨花は言葉を失ったかのように絶句した。
対になった金属の棒で繋がれた板の上に、血の滴る典子の生首が乗っていた――。

[完]


『学校のコワイうわさ 花子さんがきた!!』第一巻「夜、公園のブランコに生首がのっている」より
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研究員D

Author:研究員D
「ギリギリ映らない画面端にいるエキストラ研究員」のイメージというのが名前の由来。
基本的に特撮ヲタ。
また、マイナーなものに惹かれる体質。
特撮全般および一部のアニメや漫画(マイナー作品とか古いの)を愛する。

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