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第八章「戦闘空間」―3―

時間は前後するが、シャドウが工場に到着する少し前、有沙はマシンゼクトロンで現場に向かっていた。
既に、この辺りの道路も封鎖されているのだろう。
まだ昼間だというのに、走行している車が一台も見当たらない。
長い直線の道に入り、有沙は、更にスピードを上げた。
その時、突然、真横から何者かが高速で飛び出してきて、マシンの側面にぶつかって通り過ぎた。
体当たりを食らってバランスを崩し、ハンドルを離してしまった有沙の体は、シートから放り出されて道路を転がった。
物理法則を無視したような不自然な制動をかけて、何者かが静止し、姿が明らかになった。
それは、白銀の身体をした細身のワーム成虫体だった。
血管の浮き出た透明な羽が生えた背中を、こちらに向けている。
背中越しに振り向いた、透き通るようなエメラルドグリーンの複眼が、有沙を見ていた。
「こんな時に……!」
急がなければならないが、放っておく訳にもいかない。
ヘルメットを外した有沙は、ザビーゼクターを呼び、変身する。
「さあ、ライダーの力を見せてもらいますよ」
ザビーマスクドフォームに向き直った白銀のワームが、低い声で言った。
両者が駆け出す。
お互いに拳を突き出し、戦闘が始まった。

滝のように流れる汗を拭おうともせず、誰もいない工事現場の中で、一人の男が息を殺して隠れている。
その日は休業日だったらしく、作業をしている人間は見当たらない。
男は、芝木連合会の中堅の構成員だ。
全員がワームと入れ替わり、完全に乗っ取られてしまった連合内で、彼は唯一の生き残りだった。
この事を知り、誰かに伝えようと逃げた男を、構成員に擬態した数体のワームが追っていた。
今は、プレハブ小屋の裏に積み上げられた鉄筋やセメント袋の陰に、身を縮めて隠れている。
なんとか撒いたようだが、ここも安全ではない。
奴らに見つかる前に移動しなければ、いずれ捕まってしまうだろう。
だが、姿勢を低くして場所を移ろうとした男の前に、擬態を解いたサナギ体が出現して、道を塞いだ。
「うッ!?」
目を見開いて動きを止めた男に、サナギ体が近寄っていく。
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研究員D

Author:研究員D
「ギリギリ映らない画面端にいるエキストラ研究員」のイメージというのが名前の由来。
基本的に特撮ヲタ。
また、マイナーなものに惹かれる体質。
特撮全般および一部のアニメや漫画(マイナー作品とか古いの)を愛する。

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