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「黒い悪鬼」

HDの奥に眠っていた数年前のテキストファイルの断片をサルベージ。
当時は新ゲッターロボGの第五話くらいの一部にするつもりでした。
ここで出てくるブラックゲッターはゲーム版(余剰パーツ寄せ集め)のやつですね。
隼人をブラックゲッターに乗せたいと思い、こんな展開を考えてました。
OVA版と違って片腕がドリルアームなので、そこも隼人を乗せた理由です。
この機体は、隼人が闇ルートで仕入れた部品を組み上げて造ったボディに、隼人製の炉心を積んでいるという設定です。
そのため出力は早乙女製の炉心よりも、かなり劣ります。
合流後は、ゲッター線に頼りたくないミチルと、ゲッター線の必要性を主張する隼人の対立を、中盤辺りに描くつもりでいました。
今はライダーに集中していますが、それが終わったらまたゲッターにも手をつけたいっす。


――いつか、この時が来るのは分かっていた。
ただ、それはミチルの予測を上回っていたのだ。
日々繰り返される戦闘。
敵はその度に必ず、より強く成長し、進化し続けている。
それに比べて、こちらはどうだ。
無論、数多くの戦いを経験すれば、パイロットは成長する。
だが、機体の方は――。
際限なく、無限に進化するとも思われる敵に対して、現状の機体でどこまで通用するのか。
プラズマボムスは優秀な動力源ではある。
しかし、それは同時に、ほぼ完成してしまっている事を意味する。
プラズマ駆動にも、まだ秘められた可能性がない訳ではない。
進化のスピードが違い過ぎるのだ。
今はまだ、ぎりぎりの所で勝利出来るかもしれない。
だが、そう遠くない未来に、対抗しきれなくなる事は目に見えている。
限界が現れ始めたのだ。
現に、最近になって、戦闘が今までより長引くようになってきた。
ゲッター線なら、あるいは……。
そんな考えが浮かび、すぐにかき消した。
あれだけは使ってはならない。
ゲッター線にだけは頼りたくない。
何としても、人類はゲッター線に拠らない未来を掴まなければならないのだ。
その時、警報が鳴り響いた。敵襲だ。
考えねばならない問題は溢れているが、今は目の前の相手に対処しなければ。
ミチルは司令室へと走り出した。

突如、地面が抉られ、土塊と砂塵を巻き上げながら、凄まじい勢いで何者かが飛び出してきた。
完全に虚を突かれた鬼獣は、身をかわそうとするも既に遅く、真下からの一撃を受け、無残に五体を引き裂かれて爆散した。
鬼獣を攻撃した何かが地上へ降り立つ。
土煙が立ち込める暗闇の中で、爛々と輝く目だけがおぼろげに見える。
新たな敵に猛然と襲い掛かる鬼獣達だが、既にそこには何も存在しなかった。
黒い影は、既にその背後にまで迫っており、右腕の武器を躊躇無く鬼獣の頭部に突き立てる。
頭の先から胴の中ほどまで一気に抉り取られた鬼獣の身体が、その場でしばらく夢遊病者のようにくるくる回り、崩れ落ちた。
鬼獣を貫いたもの、それは激しく回転する巨大な槍、ドリルアームだ。
月明かりに照らされて、その姿が浮かび上がる。
それは全身を漆黒に彩られ、二本の角を持つ悪鬼だった。
だがミチルには、その正体がはっきりと理解できた。
そう。それはあってはならないもの。あるはずのないものだ。
驚きの呟きが口から漏れる。
「ゲッター……ゲッター……ロボ……!」
残り1体となった鬼獣が、咆哮を上げ、大地を揺るがしながら突進していく。
黒い悪鬼は一歩後退すると、おもむろに左手を上げた。
夜の闇の中、僅かな月明かりを受けてそこだけが金属質の鈍い輝きを放っている。
次の瞬間、耳をつんざく爆音とともに眩い光が辺りを照らし出す。
左腕に内臓された機関銃が火を噴いたのだ。
凶悪な連射を受けた鬼獣は、全身に砲弾のシャワーを浴びて、断末魔の叫びをあげる。
その照準は完璧なまでに正確で、敵の急所を的確に撃ち抜いていた。
弾丸を撃ち尽くした後には、原型を留めぬほどに粉砕された鬼獣の残骸と、流れ弾を受けて薙ぎ倒され吹き飛ばされた木々だけが残った。

「“神君”……あなた正気なの……!?よりにもよってゲッターを……また……ゲッター炉心を作ってしまうなんて……」
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新ゲッターロボ二次創作「新ゲッターロボG」19

「野朗、また変わりやがったな。見てやがれ、たっぷりさっきまでのお返しをさせてもらうぜ」
一号機のモニターに翔の顔が映る。
その表情は、例によって落ち着いていた。
「奴の狙いは我々だ。ここで戦っては被害が拡大する。町から遠ざけるぞ」
踵を返す三機のゲットマシンを追って、玄武が海へと突入する。
海水を巻き上げながら、凄まじい速度で食い下がる。
その体の各所には、生物らしからぬスクリューや推進装置が露出しており、これらが水中での圧倒的な機動力を実現しているのだ。
三号機を誘導操縦していた翔は、小さく息を吐き出した。
コックピットの中に、招かれざる客を見つけたからだ。
「號、お前は余計なお客さんを連れてきたらしいな」
それを聞いた號は、嫌な予感を感じながら、三号機のコックピット内部をモニターに映す。
予想は的中した。
中にいたのは、號が殴りとばした青年だった。
とっくに逃げたと思っていたが、同じく着陸していた無人の三号機に忍び込んだらしい。
計器の類を、いかにも興味深そうに眺めている。
「おい、てめえ!一体なにしてやがる。こんな所まで、のこのこ来やがって。死んじまうぞ!」
だが、その声は聞こえていないようで、青年は完全に自分の世界に入ってしまっていた。
精巧なメカニズムに陶酔した様子で、あちこち触って弄りまわしている。
二号機から誘導操縦されていたことが幸いした。
一度オートパイロット機能が解除されない限り、どこをどう動かそうが影響はないのだ。
さもなければ、今頃とんでもない方向に飛んでいってしまったかもしれない。
町から遠く離れた海上まで来た時、翔が切り出した。
「お前がサボっていたお陰で、二号機の損傷が激しい。あまり長時間は戦えないぞ」
「後は俺に任せとけ。ゲッター1でぶちのめしてやる」

號は、コックピットから後ろ下を確認する。
海面を走る玄武が、スピードを緩めず、追跡してくるのが見えた。
號と翔は機体を上昇させ、一号機を先頭にして、三機が縦方向に直列に並んだ。
ある高度まで達すると、旋回して反転し、海に向かって方向転換する。
玄武が真下に来るタイミングを見計らって、そのままの隊列で海の中に突入し、水面にぶつかる前に合体する。
「レッグブレード!!」
合体したゲッター1は、すぐさま脚部から刃を展開し、空中から蹴り込むと共に、その鋭い先端を玄武の背中に叩き降ろした。
だが、レッグブレードは敵の体に突き刺さることなく、分厚い甲羅に阻まれて、弾かれてしまった。
それどころか、硬度で負けたブレードは、真ん中辺りから砕け、折れて欠落した先端部分が、回転しながら宙を舞った後、海中に没した。
初手の一撃は失敗に終わったのだ。
「くそっ!」
盛大な水しぶきを上げながら、ゲッター1が着水する。
海底に向かって沈んでいくゲッター1の背後から、玄武が猛烈な勢いで突進してきた。
コックピットに衝撃が走る。
体当たりをもろに食らったゲッターは、バランスを崩して、海底の岩場に背中から突っ込んだ。
「ぺっ!なかなか洒落た真似をしてくれるじゃねえか……!」
口の中に血の味が広がる。
先程の衝突で、口の中を切ったらしい。
操縦桿を握り直した號は、ゲッターを立ち上がらせた。
力強く両腕を構えたゲッターのボディから、白い光がほとばしる。
「マグフォース……サンダァァァッ!!」
「待て、號!」
怒濤の如く放たれたプラズマエネルギーの前には、いかなる敵も粉砕される筈だった。
だが、その勢いは急激に衰え、ゲッター1の手から撃ち出されて間もなく、海水に溶け込むようにして、完全に消えてしまった。
「何だ!?どうなってんだ?」
「水中ではプラズマエネルギーが拡散してしまう。マグフォースサンダーは使えない」
必殺の筈のゲッター1の行動は、ただ無駄にエネルギーを消費しただけに終わった。
今が好機と見て、再び玄武が体当たりを仕掛けてくる。
「オォォォプンゲットッ!!」
號は、ぎりぎりまで相手を引きつけてからチェンジレバーを引いた。
ゲッター1が三機に分離し、攻撃を回避する。
その結果、玄武は、ゲッターの後ろにあった岩盤に自らぶち当たり、辺りには、もうもうたる砂煙が立ちこめる。
「このままでは不利だ。一時撤退した方がいい」
「いや、まだ手はあるぜ。『ゲッター3』だ」



この辺りまでで三年前のストックが切れました。
本当はもうちょい前ぐらいで途切れてたのですが、あまりにも尻切れトンボで終わってたので若干書き足してます。
考えた結果、とりあえずこのまま最後まで書いて全体の構成を固めることにしました。
今考えているのも、かなり変更した部分もありますが、この初期案に設定を追加して書き直すつもりでしたので。

新ゲッターロボ二次創作「新ゲッターロボG」18

「……ふぅ、なんとかやっつけたのか?やったな」
「あぁ。だが、まだ油断するんじゃねえぞ。そいつを貸してくれ。念のため、もう一発ぶちこんでやる」
青年からバズーカ砲を受け取った號は、筒の先を怪物の残骸に向ける。
それは最早ぴくりとも動かず、完全に死んでいるかのように見えた。
號が引き金を引こうとした直前、大地が振動した。
残骸があるすぐ近くのアスファルトの地面が、どろどろと溶けるように沈んでいく。
二人が異常を感じるのとほぼ同時に、溶解した地面の中から腐食した大蛇が飛び出した。
「うわッ!?まだ来るのか?」
「らしいな、お仲間さんの登場ってか。せいぜい派手に歓迎してやろうぜ」
號は先程まで残骸に合わせていた照準を、後から出てきた蛇に移す。
見ると、蛇の全身から、ぼたぼたと何かが落下している。
それは機械と肉片の混合物のようなものだった。
無機物と有機体の融合。
間違いなく、こいつはさっき始末した化け物の同類だ。
まるで轢殺された蛇の死骸を思わせる、醜悪な姿。
その口が大きく開かれた。
だが、蛇の動きはそこまでに終わる。
地下から突き出されたドリルによって、その体が弾かれ、抉り取られたのだ。
蛇が出て来たのとは別の穴から、真紅のボディが太陽に照らされる。
「ゲッター2!翔か!!」
なんとか敵に追いついた翔は、蛇の傍に二人の人間がいることに気付いた。
しかも、その内の一人は、今コックピットにいなければならない筈の男ではないか。
「號?あいつ、こんな所に……!」
さっきの一撃は効いたようだ。
蛇の動作は鈍い。
今なら攻撃されることもないだろう。
冷静に判断した翔は、一度着陸し、ゲッター2を分離させた。
誘導操縦により、青い機体の一号機が號の元へとやって来る。

「よし、これさえありゃあ百人力だ!」
急いでゲットマシンに走り寄ろうとした號の肩が、強い力で掴まれた。
振り返ると、そこにはあの青年が立っている。
「なんだ、あぶねえからお前はとっと逃げろ」
軽く振り払おうとした號だったが、彼は離してくれそうにない。
体格に恵まれているだけあって、その力はかなりのものだ。
そして、青年の答えは信じ難いものだった。
「頼む。俺も一緒に乗せてくれ」
「あ?なに寝惚けた事言ってやがる。逃げろっつったろ!どうなっても知らねえぞ!」
「それでもいい。頼む!俺をこのロボットに乗せてくれ!」
そう言って、更に力を込めてくる。
これでは埒が明かない。
こいつは、どうやら承諾するまで離さないつもりのようだ。
やむなく、號は強引に手を振り解き、青年の顔に拳を一発お見舞いした。
今度は後ろも見ずに、真っ直ぐにゲットマシンのコックピットに飛び込む。
エンジンを始動させ、底部ローターとジェット噴射を併用し、一気に上空へと飛び立った。
その一部始終を目前にしながら、緩慢な動きで這っていた蛇が、ようやく行動を起こす。
先に吹き飛んでいた化け物の残骸に、蛇の体が重なった。同化、そして変化が始まったのだ。
巨体の背面には強固な甲羅が現れ、手足には水中を制覇するための水かき。
そして蛇の頭と体は、長大な尾となって再形成された。
亀と蛇を合成したような怪物。
新たに出現したのは伝説上の生物、玄武(げんぶ)だった。
四肢を大地につけ、頭上のゲットマシンに向かって猛々しく咆哮する。

新ゲッターロボ二次創作「新ゲッターロボG」17

「わははは!撃ったのは久しぶりだったけど、まだちゃんと使えるな!」
景気良く巨砲をぶっ放した青年は、その場で高笑いしている。
だが號は呆気に取られて、何が何だか分からなかった。
「お、おい。何でこんな物があるんだ?」
「親父のコレクションさ。昔の戦争で使われてたものらしい。親父はこういうのが好きだったんだ」
大砲の台座から降りた青年は、潮風と経年劣化で錆びた砲身を手で叩いてみせた。
「これで一発ドカンとやれば、借金取りもビビリ上がっちまうって訳さ」
また笑い、当たり前のように答える。
彼の父親というのは、かなりの変人だったらしい。
もっとも、そのコレクションとやらを平気な顔で使ってみせるこの男も、何処かおかしいんじゃないか。
號はそう思ったが、すぐに頭を切り替えた。
今はそんな事はどうでもいい。
重要なのは、さっきの砲撃で壁の向こうに弾き飛ばされた奴が、どうなったかだ。
「あれぐらいじゃ、奴はくたばらねえ」
その生死を確かめるため駆け出そうとした時、青年が號を呼び止めた。
振り向いた所に、何か両手で抱えられる程の大きさの物を號に投げてよこす。
「使い方は簡単だ。ピンを落として、引き金を引く。丸腰よりはいいだろう」
見ると、それは大振りの手持ち機関銃だった。
どうやら、あるのは大砲だけではないようだ。
「へっ。いい物、持ってるじゃねえか。こいつも、そのコレクションってやつか?」
「まあね。弾丸も装填されてるから、そのまま撃てる」
全くもって変な奴だ。
しかし、少なくとも足手まといにはならずに済みそうだ。
青年も、肩にバズーカ砲らしきものを担いで武装する。
「よし、行くぜ!!」

白昼堂々、二人の男が物騒な武器を携えて走り出した。
壁に開いた穴から出て、辺りの様子を伺う。
工場は海に面しており、どうやら敵はそこに叩き込まれたらしい。
號が水底を覗き込もうとした時、水面に泡が上がってきた。
それは次第にぶくぶくと勢いを増し、次の瞬間、水中から機械と有機体の塊が出現した。
底に沈殿したゴミやら生き物やらを吸収したのか、更に大きさを増しているように見える。
目測で6、7メートル程はあるだろうか。
「出やがったな、化け物野朗!」
敵の姿を認めると、號はその相手めがけて機関銃を掃射した。
発射される弾丸が、敵の体の一部を次々に吹き飛ばしていく。
秒間十数発の連射を身に受けながらも、敵の動きが止まる様子はない。
「こいつ!駄目か、威力が足りねえのか?」
「どいてくれ!吹っ飛ばすぞ!」
その言葉を合図に、號は横っ飛びで地面を転がり、怪物から遠ざかる。
時を同じくして、青年が後方で構えていたバズーカ砲が火を吹いた。
放たれた弾頭が炸裂し、爆発と共に、怪物の半身を粉々に吹き飛ばす。
今度は致命傷だ。
一度に質量の半分近くを失った怪物の体が、ぐらりと揺れ、大地に倒れ伏す。

新ゲッターロボ二次創作「新ゲッターロボG」16

獲物を狙う毒蛇が、くねる体をばねの様に使い、動かない標的に向かって跳躍する。
そして、相手を飲み込まんばかりに、がっと大きく口を開く。
中には、しっかりと咬み付くための大きな牙があるのが見て取れる。
あんなものに一度でも食いつかれたら、二度と離してはくれないだろう。
肉眼からでも、蛇が迫ってくるのがはっきりと確認出来た。
そのスピードは思ったより素早く、目標に到達するまで幾らもかかるまい。
だが、その瞬間こそ、翔が狙っていた状況だった。
隙を作れば、敵は確実に襲ってくる。
そして、攻撃に転じれば、どうしても防御はその分疎かになる。
つまり、敵が攻撃に集中してきた時こそ、こちらがその隙を突いて反撃出来るのだ。
コックピットの中でじっと堪えていた翔が動く。
「ブレストボンバー!」
ゲッター2の胸部から、蛇の鼻先に向けて、二発のミサイルが発射される。
更に、ゲッターの動きは、それだけに終わらない。
ミサイルを撃ち出した直後に、翔はゲッターを分離させた。
三機のゲットマシンが、それぞれ別の方向から、蛇の背後に回りこむ。
今まで一度も分散していなかっただけに、蛇は完全に足元を掬われた。
先に飛び出したミサイルも、蛇の注意を逸らす役割を果たしていた。
爆風が起こる。
二発のミサイルの内、一発は軌道を逸れたが、もう一発は見事に蛇の胴体に命中した。
吹き飛ばされた蛇の体が体勢を崩す。
そのすぐ後方で、ゲットマシンはゲッター2へと再合体を果たした。

回転するドリルアームが、無防備な蛇の腹部に突き込まれる。
これが決まれば決着が着いていただろうが、そう上手くはいかなかった。
戦闘が長引いたことで、機体には少なからざるダメージが蓄積されている。
それによる反応速度の低下と、単独操縦の影響で合体の遅れをも招くことになった。
たとえ僅かな時間だったとしても、実戦では命取りになる。
結果として、敵に対抗する猶予を与えてしまったのだ。
蛇は、持ち前の柔軟さを活かして空中で体をくねらせ、寸前で攻撃を回避した。
それだけではなく、胴体の中程から体を折り曲げ、尚もゲッターに食らいつこうと牙を剥く。
だが、万が一攻撃が当たらなかった場合というのは、翔も予測していたことだった。
ここに来て、翔は最後の奥の手を実行することを決意した。
ゲッター2の左腕が動く。
自身の背面に腕を回し、そこから新たな武器が取り出された。
小型で細長い、円筒の形状をしている。
「ストリングアタック!!」
円筒形から糸が射出された。
特殊合金糸で編まれた極細のワイヤーだ。
それが蛇に絡みつき、がんじがらめに拘束し、締め上げる。
当然、相手も大人しくはしてくれない。
糸の戒めを解こうと力任せに暴れ回る。
「うおおぉ……!!」
翔は必死に操縦桿を操った。
糸の先を握り締めたまま、全力で引っ張る。
そして勢いをつけて、頭から地面に叩き落とす。
大地に激突した蛇は、しばらくの間のたうち、やがて動かなくなった。

「くっ……はぁ……はぁ……」
息が切れていた。
噴き出した汗が頬を伝う。
長時間の戦いによって、神経が酷く磨り減らされたのだ。
単独操縦は、乗組員に、肉体的にも精神的にも多大な負担をかける。
自動操縦による分離、合体は、あらかじめ設定された動きしか出来ない。
誘導電波によって、多少は動かせるものの、有人操縦のように臨機応変に対応することは不可能だ。
ゲッターロボがチームで戦うことの重要性が、身に染みて理解出来た。
翔が研究所に報告を入れようとした時、蟒蛇の屍骸がぴくりと動いた。
背中の皮が裂け、中から姿を現すものがある。
それは紛れも無く、ついさっきゲッター2が倒した筈の機械の蛇だ。
その様子は、あたかも爬虫類の脱皮を見ているかのようだ。
だが、その姿は正視に耐えないものだった。
未だ体が出来上がっていないのか、生物体と機械構造がぐちゃぐちゃに混ざり合っている。
中途半端な融合とでも言うべきものが、そこにいた。
「うッ……!」
思わず目を背けたくなる気色の悪い光景に、翔は背筋を走る嫌悪感と共に吐き気を覚えた。
蛇が行動を開始する。
地べたを這いずり、その体中から地面に向けて、大量の溶解液を垂れ流す。
あっという間にクレーターが発生し、蛇はその大穴の中に身を投げ出した。
「しまった……!逃がすかッ!」
戦いの傷を癒す暇もなく、ゲッター2は蛇を追ってクレーター内部に突入していった。
プロフィール

研究員D

Author:研究員D
「ギリギリ映らない画面端にいるエキストラ研究員」のイメージというのが名前の由来。
基本的に特撮ヲタ。
また、マイナーなものに惹かれる体質。
特撮全般および一部のアニメや漫画(マイナー作品とか古いの)を愛する。

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